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6月23日 高1講話から:ミカドガガンボとAI(人工知能)

2016.06.23

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6月10日(金)の朝のことでした。どこからやってきたのか、入り口から廊下をまっすぐに30メートルあまり入った突き当りの部屋のドアの前にいました。ジッとして動く様子もなかったので、定規を持ってきて撮影しました。寡聞にして名を知らず、インターネットで「虫・足・長い」と検索したら、すぐに「ガガンボ(大蚊)」であることが分かりました。中でもこれはその大きさからか「ミカドガガンボ」と呼ばれる開帳8cm強の日本最大の種類であるらしく、たしかに見つけた瞬間「おおきい」と思ったことでした。

〇学名:Holorusia mikado ハエ目・糸角亜目・ガガンボ科・ガガンボ亜科
〇大きさ:30-38mm 時期:6-8月 分布:本州・四国・九州
・ガガンボの語源は『蚊の母』であって,カガンボというのが正しいといわれる。カを大きくしたような形で,俗にカトンボともいう。
・体も翅も細長い。肢もきわめて長いが脱落しやすい。また体も貧弱で死骸もつつけばすぐバラバラになってしまう。飛行速度についても決して敏速ではないが、人口密度の高い地域では身を守るため機敏な場合がある。とはいえ、実際はあまり強い虫ではない。
・日本には1000種類程度が知られ、たくさんの種類を含む大きなグループである。
・小さなガガンボは蚊と間違えられたりするが、人体に危害(吸血)を加えることはない。
・光に誘われる性質が強いため、夜間は屋内に入ってくることもある。

いろいろ調べられていて興味深いのですが、考えてみればこれも自然科学の研究対象で、学問は奥深く広いと思ったことでした。因みに、ガガンボに詳しいある一人の研究者は「形態・構造、生物多様性・分類」を専門分野とし、「日本昆虫学会・双翅学会・日本昆虫分類学会・日本動物分類学会・日本動物学会」といった学会に所属していました。科学にもさまざまな分野の学問があります。
科学といえば、日本政府は「科学技術基本計画」を策定して科学技術政策を推進してきていますが、今年1月22日に閣議決定された平成28~32年度の第5期基本計画に次のようにあります。

〇ICTを最大限に活用し、サイバー空間とフィジカル空間(現実 世界)とを融合させた取組により、人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」を未来社会の姿として共有し、その実現に向けた一連の取組を更に深化させつつ「Society 5.0」として強力に推進し、世界に先駆けて超スマート社会を実現していく。
〇超スマート社会とは、「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会」である。

このような社会では、人とロボット・AIとの共生の実現が期待されています。
それを受けてか、今週6月20日(月)、総務省情報通信政策研究所に設置された「AIネットワーク化検討会議」から「AIネットワーク化の影響とリスク ― 智連社会(WINS ウインズ )の実現に向けた課題 ―」という報告書がだされました。これは、理工学系(情報科学、人工知能工学等)及び人文・社会科学系(哲学、法学、経済学等)の有識者37人が一堂に会し、分野の壁を越えて議論した結果を取りまとめたもので、人工知能(AI)を用いたネットワークシステムの社会・経済への影響や課題を検討し、AIで動くロボットに起こりうる次のような具体的なリスクを20項目挙げています。

〇愛玩用の犬型ロボットの飼い主のリテラシー不足などにより、ロボットのアップデートが確実になされなかったため、ロボットが遠隔操作ウィルスに感染して、悪用され、空き巣に入られたり、情報が漏洩するなどの被害が生ずるリスク(発生時期:進展段階1、生起確率:高、被害の規模:中 )
〇人間に投棄された「野良ロ ボット」が徒党を組んで人間に対して参政権等の権利付与を要求するリスク(発生時期:進展段階4、生起確率:低、被害の規模:大)

リスクに対するシナリオを想定しておけば迅速に対処できるということですが、結局は、AIを開発したり使ったりする人間の問題です。科学技術の発達と超スマート社会・智連社会の実現は、愛とまごころに支えられ、人の道にかなうものであってほしいと思います。だから、少なくとも私たちは今、「仁愛・正義・誠実」を未来への羅針盤に刻み、学び思考し判断し、生きていくのです。
本校での学びのありかたを今一度確認するとともに、さらに5年・10年先、2030年、2040年…と未来社会を見つめること、「十有五にして学に志し、三十にして立つ、四十にして惑わず」と人間形成のありかたを考えることを期待します。
それにしても、今日の話題のきっかけがそうでしたが、何かを調べたり考えたりするとき、「Google」「Yahoo!」「Microsoft」など、キーワードを入力すると関連するWebサイトを探し出して表示するシステム、つまりインターネットの「検索エンジン」は頼りになります。今後ますます進化し、人工知能(Artificial Intelligence; AI)として身近で大切な相談相手になって行くと考えられます。活用してください。




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